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農業に関する理科なお話 第7回~お酒は20歳なってから~

皆さんこんにちはKrei-Agriの設楽です。前回は、果実がなぜ甘いのかという植物の生存戦略についてまとめていきました今回は、人間が甘い果実を利用したアルコール発酵について触れていきたいと思います。今回も山形県の現役中学校教諭なおやちぇんちぇと共同で記事作成をすることになりました。興味のある方は見ていってください。もし間違い等がございましたら、コメント等でお知らせください。

そもそもアルコールとは?

みなさんはアルコールと聞いて、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。お父さんが飲むビールやジャッキー・チェンの酔拳などでしょうか。最近だと、新型コロナウイルスの除菌のためによく使われていますね。子どもの頃はこんな変な味のする飲み物を飲むものか嫌い!!と思っていましたが、大人になるとお酒は大切なお友達になりました、特にビールがお友達ですww。

化学的な定義は、炭化水素の水素原子がヒドロキシ基(-OH)に置き換えたものの総称です。

 

Prim. sec. tert. Alcohols V.1.png

アルコールの分類(Wikipediaより)

(左から、メタノール、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール)

 

一般的には、お酒に含まれるエタノールを指すことが多いのです。

 

Ethanol-structure.svg

エタノールの構造式(Wikipediaより)

大人は、こんなものを飲んでるのですねw。これを、飲み始めた歴史を見てみましょう。

アルコールの歴史は古く、世界で最も古いとされるものが果実酒(醸造酒)だそうです。特に、ワインは、紀元前5000年頃にメソポタミア地方の人に飲まれていたようです。

お酒の歴史
紀元前5000年ごろ 『ギルガメシュ叙事詩』にワインの記述
紀元前4000年代 エジプト文明で、ワイン醸造
紀元前1700年ごろ ハンムラビ法典にワイン、ビールの記述
紀元前1500年ごろ ギリシャに、ワイン醸造が伝わる

かなり前からアルコールを飲む文化が脈々と受け継がれているのが分かりますね。さらに、ウイスキーなどの蒸留酒の登場した11世紀となると医薬品用のアルコールが作られ、飲むだけではなく、医療にも活用され始めました。アルコール度数が、60%以上が消毒液として機能するそうです。ちなみに、日本固有の日本酒は奈良時代に製造され始め、行事などの特別な時に飲まれていたようです。日本が縄文時代に口にしていたアルコール(日本最古?)は、口かみ酒だったらしいですよ。

君の名はにも口かみ酒はでてきましたね!!

日本のアルコール発酵の技術は、過去も現在も世界でトップクラスでした。ヨーロッパの人が、日本に来た時に驚いたという逸話も残っています。私の大好きなビールは当時、苦い、まずいと不評だったそうです(笑)。

アルコールを作るのに必要な生物!?

その答えはずばり「微生物(酵母菌)」です。1789年にフランスのラボアジエさんが、微生物(酵母菌)にグルコース(ブドウ糖)を与えるとエタノール(アルコール)と二酸化炭素に分解してくれることを発見したのです。これをアルコール発酵と命名しました。

アルコール発酵微生物が酸素を使うことなく(嫌気呼吸)、糖(有機物)などを分解してエネルギーを作ることです。酵母菌を酸素不足の場所に入れて、ブドウ糖を渡すと、エタノールと二酸化炭素に分解してくれます。空気中で渡したら、残念ながら二酸化炭素と水に分解するだけでエタノールを作ってはくれません。酵母菌も人間と同じ真核生物なので、ミトコンドリアを体内に持っています。つまり、酸素があれば好気呼吸(普通の呼吸)をしてしまいます。だから、あえて酸素の少ない環境で糖を渡す必要があるのです。アルコール発酵をさせる酵母菌は、なんだかブラックな環境で働かされてるみたいですねww。

発酵と腐敗の違いって?

みなさんは発酵と腐敗の違いを知っていますか?発酵と聞くと、チーズや納豆などのくさ~い食べ物を想像する人も多いでしょう。腐敗と聞くとどうでしょうか。くさって汚いなどのイメージでしょうか。子どもの考え方や捉え方は、ほぼ正解なのです。発酵と腐敗は人間にとって有害なものを作るか、有益なものを作るかで分けられているのです。

発酵→微生物が人間にとって有益なものをつくること(有益なものの例:エタノールなど)

腐敗→微生物が人間にとって有害なものをつくること(有害なものの例:メタンガスなど)

だから、カビや菌、微生物は汚いものというイメージだけではなく、人間に有益なものを提供してくれる生き物というイメージも同時に持ってほしいなと思います。何事もうまく付き合っていくのが大切ですね。

なおやちぇんちぇいのコラム

哺乳類と魚類のフィギュアを爆買いしているなおやちぇんちぇです。クジラとサメが特に好きです。理由は、生命力をより強く感じることができる生き物だからです。あの迫力はたまりません。

クジラとサメはかっこいいなーとフィギュアを見ていて、私はハッとしました。みなさんは、魚類と哺乳類の尾びれに注目したことはありますか。なんと、魚類の尾びれは縦方向についていて、哺乳類の尾びれは横方向についているではありませんか。みなさんは知っていましたか。魚類は水中で左右に尾びれを振り、哺乳類は上下に振ります。だから、尾びれの付き方で魚類と哺乳類を見分けられるのです。生き物の動きや体を見て共通点を探すことで新しい発見ができますね。

まとめ

・お酒は20歳なってから

・酵母菌は、ブラックな環境ではたらかされているw

・腐敗と発酵の違いは、人間に都合の良いものを作っているかどうか

以上です。ご覧いただきありがとうございました。今回は、アルコール発酵についてまとめました。次回は、植物の分類についてまとめいきます。次回もお楽しみに!!